ミツバチの巣

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ハチの巣の建設は巣房作りから始まります。巣房は、他巣房との間全面を蜜ロウで区切った六角形のチューブ型をしています。これらたくさんの巣房が1枚の壁のようになり、その壁をベースにさらに同仕様の巣房の壁がもう一枚、反対側に向かって開いていきます。このようなミツバチの作る巣房の壁が全て重なり合って約2,5センチの厚さに繋がったものが一般的にハチの巣脾と呼ばれるものです。女王は幼虫用の巣脾のほぼ全てに卵を産みつけ、花粉やハチミツは上部の巣房のみに貯蔵されます。一方で、養蜂家がシーズンの終わりに集める蜜巣は、主にハチミツばかりを含んだものです。

野生のハチは洞穴のような場所や木のうろの中などに蜜ロウの巣脾を作りますが、ミツバチの巣は人間が意図的に手を加えて作られたものです。野生のハチが生息する地域ではハチたちが自立して全ての活動を行うことが可能であろうため、人間が養蜂として人工的に手を貸すことができるのはハチミツ採集に関わることのみですが、フィンランドのようにミツバチが輸入された地域では、養蜂には人間の手助けが必要です。

養蜂では、ミツバチたちが巣を楽に作ることができるよう、木枠に蜜ろうで巣礎を貼ったものをミツバチに与えます。

巣礎枠と呼ばれるこれら板状の物は、上蓋と下底の部分が空いたスチロール製、もしくは木製の箱の中に一枚一枚隣り合わせに入れられています。ハチが巣房を作って動き回れるくらいの隙間を枠同士の間に設けながら、巣箱の上部の縁にぶら下げるように一枚一枚の巣礎枠を入れます。通常、巣箱のサイズにもよりますが、7枚から11枚くらいの巣礎枠を順に隣合わせに入れていきます。巣箱、継箱の数は、ミツバチの数やハチミツの量によって、夏の間追加され、秋になると減らされます。それゆえ、ミツバチの巣箱は高さの異なるタワーのようにそれぞれ積み重なっているのです。

巣箱は、例えばレンガや建築用パネルなどの頑丈でしっかりとした土台の上に乗せて、地面からおよそ5−20センチのところにセットします。巣箱の底にはミツバチが巣を離着陸する際の出入り口となる巣門を兼ねた台があります。その台の上に、巣枠付きの巣箱、継箱が必要な数だけ、冬で通常2つ、夏で7つ程まで積み重ねられていき、天井と屋根部分は、巣箱最上部に取り付けられます。秋の餌付けの時期には最上段の巣箱の上部に給餌器も取り付けられます。巣箱は、最終塗装をされないまま売られていますが、ミツバチたちが巣箱をしっかりと目で認識することができるよう、また防水加工の意味でも、使用前に塗装しなければなりません。塗装料は有毒性のないもので、かつ箱同士がくっつかないものを使用します。最も推奨されているのは緑色ですが、白、黄色、青を含む他の色も使用できます。

知ってた?
ミツバチの巣の厚さは、幼虫のいる巣房部分で2センチちょっと。そこから少し離れたところにある食料用の巣房はそれより少し長い、3センチの厚みがあります。幼虫のいる巣房上部は少し丸みを帯びて表面もマットなのですが、ハチミツが貯蔵されている巣房上部は平らかでツヤツヤしており、ハチミツが触れているせいで湿り気のある黒っぽい色をしています。

 

巣箱の設置場所

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自己所有の土地がなければ、誰かの土地を借りて養蜂許可を取るのも比較的手軽な方法でしょう。養蜂場は蜜源となる花まで距離的に十分近く、養蜂家側としても楽に、頻繁に訪れることの出来るロケーションでなくてはなりません。養蜂に必要な設備備品を含む巣箱全体が簡単に持ち込める場所で、またミツバチたちが巣の場所を認識する目印としての石や野菜畑などを巣と巣の間に置けるようなスペースもある場所でなければ難しいでしょう。
さらに、巣の換気と乾燥を促すため、空気の良い流れを保つのに十分なスペースがありながら、かつ寒風からはしっかりと守られている場所でなければなりません。地面は乾燥したところを選びましょう。ジメジメはNG。これらの条件から考えると、養蜂に適した場所は、例えば南側に緩やかに丘が開けた場所や、森や林の端の囲い部分にあたるところなどです。適さない場所は建物で囲まれた場所や、盆地などです。

知ってた?
ミツバチが自ら巣を探し当てて戻って来れる最長距離は5キロ。つまり、これより遠い蜜源に行ったら帰って来れなくなるということです。巣箱から3キロ以内の範囲に蜜源となる花が十分にあるロケーションなら理想的でしょう。花から花へと飛んでいる間、ミツバチは栄養分を集めているだけでなく、同時に植物の受粉活動も行っています。ミツバチのこの効率的な受粉活動のおかげで、ベリーやその種子は成長、繁殖します。フィンランドのフルーツやベリーは、このミツバチの受粉の手助けがなければ、現在のようにジューシーで大きい果実をつけて均等に熟すこともありません。養蜂に適した場所を見つけることは、ミツバチの巣により多くのハチミツをもたらすだけでなく、そのエリアのフルーツやベリーにも普段より良い収穫が期待できるということなのです。ミツバチの受粉で増えるベリーやフルーツの収穫量は全体の4分の1とも言われています。
フィンランドにおけるミツバチの受粉活動の経済的に換算した総価値は6千万ユーロにのぼります。
(出典:Lehtonen, T. 2012. The Economic Value of Bee Pollination in Crop and Wild Berry Harvests. University of Helsinki)

 

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